培った能力を再活用できる企業等の求人に応募する60歳越えの人
平成25年4月に定年を従来の60歳から65歳への引き上げが義務化されたことにより本人が働くことを希望する限り企業等は5年間、60歳時点の労働条件のまま雇用を継続するか、60歳時点で一旦退職し、改めて異なる労働条件、概ね、労働時間数と賃金を低くした労働条件で雇用契約を結び直すか、どちらかを選んで雇用を延長しなければならなくなっています。従って、60歳を越えても働くことを希望する多くのサラリーマンがそのまま職を得られるようになりましたが、退職して新たな職場を求めて求職活動する人も多くいます。定年延長問題をきっかけとして企業の中には新卒者を採用し、年月をかけて将来の幹部候補社員に育て上げるだけでなく、スキルがあって経験豊かな60歳越えの人を即戦力として求人募集する企業が増えたのです。高齢者の求人というと、従来は安い賃金で単純作業に従事するケースが多かったのですが、定年延長をきっかけとして60歳越えで健康な人は企業側の採用姿勢が変わったことを知って、自分の培ってきたキャリアやスキルの再活用できる企業等の求人募集に応募する人が増えてきました。明らかに60歳以後もキャリアやスキルを使い続ける意欲を持つようになってきたということです。こうして、定年と共に培ってきた自分のキャリアやスキルを懐へしまい込んだまま引退して余生を楽しむだけでなく、更に社会に役立つことで高齢者の生き方が一層多様化してきました。